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ホルムアルデヒドの測定・検査とは?測定器や測定方法についても解説

建築物衛生法(ビル衛生管理法)で対象とされたビルや施設は、空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度を測定することが義務として定められています。
ビルや施設を管理する上で、日頃から空気環境の調整に気を付けていても、ホルムアルデヒドの測定は頻繁に行うものではないので、詳しい内容がわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ビルや施設を新築したり、大規模な修繕・模様替えを行ったりした後に確認しておきたいホルムアルデヒドの測定について解説します。

ホルムアルデヒドとは?

ホルムアルデヒドは、家具や建材の接着剤に使われている物質で、常温で気化し空気に溶け込みます。空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度が十分低ければ問題ないのですが、濃度が高くなると人体に悪影響があり、頭痛・吐き気などの症状が出ます。

建物内でさまざまな体調不良が現れる「シックハウス症候群」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、シックハウス症候群の原因の1つとされているのもホルムアルデヒドです。

ホルムアルデヒド測定の概要

ホルムアルデヒドは人体に悪影響があるため、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」第2条の「建築物環境衛生管理基準」では、空気中のホルムアルデヒドの量が0.1mg/㎥以下になるよう空気を調整することが求められています

特にホルムアルデヒドの空気中濃度に気を付ける必要があるのは、建材などに新しく接着剤が使われやすい新築や大規模な修繕・模様替えの時です。また、気温が上がる夏の方が、ホルムアルデヒドが気化しやすくなります。

そこで、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則」第3条の2により、新築や大規模な修繕・模様替えを行い、建築物を使用しはじめた最初の6月~9月に1度ホルムアルデヒドの測定をすることになっています。

ホルムアルデヒド測定の対象となる建物

ホルムアルデヒドの測定をすることが法令で義務として定められているのは「特定建築物」です。「特定建築物」の定義は法令により異なりますが、今回のホルムアルデヒド測定が関係する「特定建築物」は次の3つを満たす建築物であると定められています。

  1. 建築基準法に定義された建築物であること。
  2. 1つの建築物において、以下の特定用途の1つまたは複数に使用される建築物であること。
    特定用途:興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む)、旅館
  3. 1つの建築物において、特定用途に使用される延べ面積が、3,000平方メートル以上であること。

(ただし、専ら学校教育法第一条に定められている学校(小学校、中学校等)については、8,000平方メートル以上であること)

参照:厚生労働省|建築物衛生のページ

なお、特定建築物以外の建築物であっても、「建築物衛生法」第4条第3項によっていわゆる努力義務が課せられており、多くの人が使用・利用する建築物は、建築物環境衛生管理基準に従って維持管理をするように努めなければならないことになっています

特定建築物以外の建築物でも、大規模な修繕・模様替えなどの後にはホルムアルデヒドの空気中濃度に気を付けましょう。

ホルムアルデヒド測定は自分でできるのか

ホルムアルデヒド測定を自分でやってもよいのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。ホルムアルデヒド測定はご自分で行うことも可能です。また、厚生労働省が指定する測定器を数千円からでレンタルできるサービスもあります。

しかし、測定器をレンタルしたとしても、慣れない測定作業をご自分でやらなければならないことに変わりはありません。ビルや施設によっては測定箇所が多くなり、時間も労力もかかります。また、ホルムアルデヒドが基準値を上回っていた場合など、問題が発生したときに相談できる相手もいません。

外注費は業者によって異なりますが、一般にそこまで高いものではありません。いざというときに相談しやすく測定作業に慣れている業者に外注するのをおすすめします。当社も空気中のホルムアルデヒドの含有率を含め、空気環境測定を行える業者です。

ホルムアルデヒド測定に使用する測定器

ホルムアルデヒド測定に使用する測定器は、家庭などでの検査に使われるものを含め非常に安価なものも出回っていますが、法令で定められた義務として測定する場合は、測定に必要な精度がある機器を使わなければならないので注意が必要です。

特定建築物のホルムアルデヒド測定に使えるとされている測定器は以下の3つです。

  • 2・4―ジニトロフェニルヒドラジン捕集―高速液体クロマトグラフ法により測定する機器
  • 4―アミノ―3―ヒドラジノ―5―メルカプト―1・2・4―トリアゾール法により測定する機器
  • 厚生労働大臣が別に指定する測定器

3つ目の「厚生労働大臣が別に指定する測定器」であれば、厚生労働省のこちらのページにメーカーと型式が指定されているので、どの測定器を使えばよいか比較的イメージしやすいでしょう。

ホルムアルデヒド測定の方法

ホルムアルデヒドの測定方法について簡単にご紹介します。

測定場所の選定

ホルムアルデヒドの測定は、特定建築物の各階ごとに1カ所以上適当な居室を選んで、その中央部の床上75㎝以上150㎝以下の位置で測定することになっています。
複数階ある場合など、建築物1棟あたり複数箇所を測定しなければならないことも多いので、業者から見積もりを取った際には何ヵ所分かまとめた見積もりが提示されることもあります。

測定

定められた測定器で測定を行います。空気中に含まれるホルムアルデヒドの濃度が0.1mg/㎥(または25℃の場合で換算して、0.08ppm)以下になっていれば問題ありません。

測定結果の記録

測定結果を記録し、保管しておきます。業者に依頼している場合は、報告書が上がってくるので、確認してください。ホルムアルデヒドの測定結果は、保健所の立入検査のときなどに確認されます。

定期的に行われる一般立入検査でも、ホルムアルデヒドの測定結果は確認されますし、精密立入検査では、書類を確認するだけでなく、実際にホルムアルデヒドの測定が行われる場合もあります。いざという時に出せるよう、測定結果はしっかり保管しておきましょう。

ホルムアルデヒド測定をして基準値を上回っていた場合の対策

ホルムアルデヒドの濃度が基準値を上回っていた場合は、改善策を講じて、翌年の6月~9月に再度測定しなければならないことになっています。ホルムアルデヒドの濃度を低減させる方法としては以下のようなものがあります。

  • 換気装置の設置や増設
  • 従来以上に継続的な換気
  • ホルムアルデヒドが発散している建材などの交換・撤去
  • 発散源の封じ込め
  • 有効な吸着材などの使用

どの対策がよいかはビルや施設によっても異なりますので、業者などに相談してみるのがおすすめです。

ホルムアルデヒドが基準値を上回っていた場合に罰則はあるか

管理しているビルや施設のホルムアルデヒド濃度が「建築物環境衛生管理基準」の基準値に適合していないと罰則はあるのでしょうか。厚生労働省によれば、建築物環境衛生管理基準に適合していないという理由だけでは、直ちに行政措置や罰則の対象となるわけではありません。

しかし、建築物環境衛生管理基準について違反があり、かつ、その特定建築物の中の人が健康を損なうおそれがあると具体的に予見されるような事態が生じた場合には、都道府県知事から改善命令等が出る可能性があるとしています。

また、事態が緊急を要する場合は、該当する事態がなくなるまで、関係設備等の使用停止や使用制限が都道府県知事によって課せられることもあります。ホルムアルデヒドの濃度が基準値を上回っている状態を放置するのはビル・施設管理をする上でのリスクです。

改善命令等があるかどうかに関わらず、ホルムアルデヒドの濃度が高いと、ビルや施設の利用者が体調を崩す恐れがあります。利用者が快適に過ごせるようにするためにも、必ずホルムアルデヒドの濃度は確認しましょう。

当社の強み・メリット

総合ビルメンテナンス企業である当社はホルムアルデヒドの測定も実施しており、以下のような強みがあります。
ぜひ、コニックスにご相談ください。
コニックスへの問い合わせ

  • 特に愛知県においては拠点数が多く、何かあった時にすぐに駆け付けることができます
  • 創立1955年以来、長きに渡り培われた圧倒的な経験値を持ち、信頼していただけています
  • エコチューニング事業所認定・エコチューニング技術者がいるため、省エネ知識も豊富です
  • 総合ビルメンテナンス企業として、建物にまつわる悩みごとをトータルでご相談お受けし、解決できます
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コニックスは愛知・岐阜・三重を中心に東京から大阪までを網羅した総合ビル管理会社です。
ビルメンテナンスと呼ばれるサービスを主体として、ビルにまつわる100の仕事を行い「コニックス」の制服を着た常時2,600名を超える社員が皆様から「ありがとう」を頂戴すべく動いております。

<当社許認可・保有資格の例>

  • 建物環境衛生総合管理業 愛知県18総第8号
  • エコチューニング事業者認定 第170087号
  • 警備業 第54000058号
  • 一般建設業(般-3)第39090号

<当社従業員保有資格の例>

  • 清掃作業監督者
  • 建築物環境衛生管理技術者
  • 警備員指導教育責任者