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空調機について設置から故障時の修理まで基本的なことを解説

ビルや施設の空調機は家庭用のエアコンとさまざまな点で異なるので、分かりにくいと感じる方も多いでしょう。

しかし、空調費はビルの電気代の相当な割合を占めており、省エネ・省コストのためには空調機の知識も必要です。この記事では空調機について設置から故障時の修理まで基本的なことを解説します。

空調機とは?

空気調和機(空調機)とは、特定の空間の空気について以下の要素を調整するものです。

  • 温度
  • 湿度
  • 清浄度(浮遊粉塵やホルムアルデヒドなどの量)
  • 気流

建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法、ビル管理法)第4条では、特定建築物の管理者は「建築物環境衛生管理基準」に従って特定建築物を維持管理しなければならないと定めています。

建築物環境衛生管理基準には、空気の温度、湿度、清浄度、気流の基準が定められており、基準におおむね適合するよう居室に空気を供給しなければなりません。

そのため、空調機は特定建築物の管理をする上でほとんど欠かせないものです。

なお、特定建築物の居室の空気が建築物環境衛生基準を満たしているかどうかの測定「空気環境測定」については以下の記事をご参照ください。

空気環境測定とは?義務と基準、実施者の持つ資格、料金などを解説!

エアコンと空調機の違い

「空調機」という言葉が「エアコン」の言い換えとして使われているケースがありますが、空調機とエアコンは厳密には違うものです

一般的な業務エアコンは、エアコン単体では換気機能を持ちません。そのため、空気の清浄度のコントロールはできず、空調機と呼べません。厳密には「冷暖房機」です。

しかし、換気設備とエアコンをひとまとめにして「業務エアコン」として販売している例もあり、その場合は空調機といえます。

空調機と業務エアコンは異なると言う人もいれば、実質同じだと言う人もいますが、実際は上記の通りです。

ビル・施設の空調方式

空調機について解説する前に、より大きな空調方式全体について解説しておきます。ビルや施設の空調方式は一般住宅の空調方式とは大きく異なるので、おおまかなイメージを掴めるよう簡単にご説明します。ビル・施設の空調方式は以下の2つです。

個別方式(ビルマルチ空調)

個別方式は個々のフロアや部屋で空調の調整ができる方式です。そのため、空調の必要がない部屋では空調をオフにできます

中小規模のビルや新しいビルに多く導入されている方式ですが、次に紹介する中央方式に比べると対応年数がやや短いというデメリットがあります。

中央方式(セントラル空調)

引用:三菱電機 空調管理システム

中央方式はボイラー、冷凍機などの熱源機を一ヵ所に置き、中央管理室などで建物全体の空調をコントロールしています。大型ビルや古いビルに多い方式です。

建物の空気を一元的に管理できる一方で、個々の部屋での調整がつけにくいデメリットがあります。しかし近年では改良や個別方式との併用などによってより柔軟な対応ができるようになってきました。

空調設備の設置工事

空調設備の設置工事には事前の調査が欠かせません。建物の構造や居室の環境などを確認しつつ、建築基準法に適合するよう設計しなければならないからです。

ビルの管理者の方が比較的経験するであろう設置工事は、既存の空調設備と新規の設備の入れ替え工事です。入れ替え工事の場合は、既存の機器を撤去した後で、新規機器の設置を行います。

設置工事には配管・配線工事が必要です。空調機を設置する各部屋へのダクトや冷温水配管工事、冷媒配管工事、ドレン配管工事、電気配線工事を行います。そのため、空調設備の設置工事は電気工事士、管工事施工管理技士など有資格者による施工が必要となります。

なお業務エアコンの設置工事に関しては以下の記事をご参照ください。

業務用エアコン取り付け工事(施工、設置)の注意点

空調機が故障した際の修理依頼先

ビルや施設の空調機が故障した際には主に以下の3つの修理依頼先があります。

  • 空調機メーカー
  • 空調機修理業者
  • ビルメンテナンス業者

まず、メーカー保証期間内なら空調機メーカーに修理を依頼しましょう。故意や過失での故障ではなく、製品の不良であれば無償で修理を受けられます。

メーカー保証が切れている場合は、相見積もりを取り比較しながら依頼先を決めましょう。おすすめなのはひとまず既に契約しているビルメンテナンス業者に、空調機の修理にも対応していないか聞いてみることです。

既に契約している業者であれば業者を探す手間もなく、安心して依頼できます。修理依頼先を探す際には、点検に対応しているかもチェックしておきましょう。

空調機の法定点検

フロン排出抑制法により、空調機には点検が必要です。空調機が冷媒として使用しているフロンガスが漏れて環境破壊につながるのを避けるためです。点検には簡易点検と定期点検があります。

点検区分点検対象点検内容点検者点検頻度
簡易点検業務用の冷凍空調機(業務エアコンなど)異音・損傷・フロン漏洩の徴候の有無などの確認誰でも可3ヵ月に1回以上
定期点検上記のうち圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kW以上の機器直接法や間接法による専門的な冷媒漏洩検査機器などに関する十分な知見を持つ者50kW以上の空調機器:1年に1回以上 7.5~50kW未満の空調機器:3年に1回以上

参考:機器の点検|フロン排出抑制法ポータルサイト

全ての業務エアコンなどが対象の簡易点検は誰でもできますが、一定以上の定格出力を持った空調機に必要な定期点検は「機器などに関する十分な知見を持つ者」にしか点検ができません。

具体的には有資格者か十分な実務経験を持ち必要な講習を受けた人とされています。空調機の定期点検は業者に依頼しましょう。

参考:十分な知見を有する者について|フロン排出抑制法ポータルサイト

空調機の点検のメリット

空調機の定期的な点検は法律上の義務であるだけでなく、さまざまなメリットがあります。空調機の点検まで手が回らない管理者の方は多いですが、この機会に点検の導入もご検討ください。

省エネ

定期的な点検をすると省エネにつながります。空調機の不具合を直しながら使えるので、「冷暖房の効きが悪い」といったことが起こりにくく、不具合を原因とする無駄が少なくなります。

資源エネルギー庁によれば、夏のオフィスビルの電力消費のうち約5割が空調費です(北海道を除く)。空調機を適切にメンテナンスしながら使えば、省エネだけでなく省コストにもつながります。

参考:夏期の省エネ・節電メニュー|資源エネルギー庁

省コスト

定期的な点検をすれば電気代の節約につながるほか、空調機の寿命を延ばして長く使えるようにできます。空調機が故障して交換しなければならなくなると、費用が高くつきます。

定期的な点検を通し適切にメンテナンスすれば、不具合や故障の前兆に気付き対処できる場合も多いです。点検には費用がかかるものの、省コストにつながることを考えれば検討の価値はあります。

トラブル回避

定期的な点検のメリットは空調機がいきなり壊れるのをある程度防げることです。夏や冬に空調機が故障すると、テナントが非常に不便をします。また、修理の手間や時間もかかってしまいます。

空調機がいきなり壊れることにはリスクしかありません。しかし、点検をしていれば故障をある程度防げるほか、空調機の寿命も分かります。空調機の寿命を見越して先手で動けるようになるので、予期せぬトラブルに見舞われにくくなります。

「故障してから修理」「決定的に壊れてから交換」と後手に回ってしまう管理者の方もいますが、トラブルを防げないだけでなくコストがかさみます。空調機は業者に定期的な点検を依頼して先手の対応をしましょう。

当社の強み・メリット

総合ビルメンテナンス企業である当社は、以下のような強みがあります。
空調機の故障時も対応いたします。当社であればビルメンテナンスに関して様々ご相談いただけますので、ぜひ、コニックスにご相談ください。
コニックスへの問い合わせ

  • 特に愛知県においては拠点数が多く、何かあった時にすぐに駆け付けることができます
  • 創立1955年以来、長きに渡り培われた圧倒的な経験値を持ち、信頼していただけています
  • エコチューニング事業所認定・エコチューニング技術者がいるため、省エネ知識も豊富です
  • 総合ビルメンテナンス企業として、建物にまつわる悩みごとをトータルでご相談お受けし、解決できます
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<当社許認可・保有資格の例>

  • 建物環境衛生総合管理業 愛知県18総第8号
  • エコチューニング事業者認定 第170087号
  • 警備業 第54000058号
  • 一般建設業(般-3)第39090号

<当社従業員保有資格の例>

  • 清掃作業監督者
  • 建築物環境衛生管理技術者
  • 警備員指導教育責任者